自宅で着てみよう

自宅で着てみよう

(この記事は2011年当時のものです)

 皆様こんばんは。

 前回の続きです。
 女装の同人作家さんのお隣に座ったり、E嬢にメーク合うんじゃない?って囁かれたりで、自分でも女装というものができるんじゃないかって思うようになりました。

 とはいえ、当時はいまほど自分の姿や人柄に自信がなくて、何をするにも間違っていないことを確かめずにいられない弱気な性格でした。
 それで、うまくいかなかったら無かったことにできるように、準備はこっそりすすめました。最初に手をつけたのは脚の手入れで、カミソリとか除毛クリームとか色々買い込みました。(今は電気ヒゲそりです)

 次がブラウスとプリーツスカートで、ブラとぱんつはその後でした。175センチの男の体が本当に女物を着られるのか?そんな当たり前のことも人には聞けなくて、ファッション通販大手のニッセンのカタログはずいぶん研究しました。(セシールで始めましょう)
 ここまでのリサーチで見つけた女装さんは、みんなセーラーとかスッチーとか、趣味に走りすぎていて、どうもこれは違うと思わずに射られません。わたしはどうする?ここは「ありきたりな婦人服」でやってみようじゃないかと決めて。丸の内あたりで働く女性の仕事着っぽくいってみることにしました。
 当時、女性のカジュアルというのが全然わかっていませんでしたから、仕事着ってだけでも今から思うと「あいたたたた」なところがありますが、でも最終的にはそれっぽくまとめられました。

 案の定、肩が入りきるサイズのブラウスを買ってみると、おなかの周りがすごく余っています。当時はよくわかってなかったのですが、女性ファッションの世界には
・小柄な女
・中背の女
・中背で太った女
・中背でものすごく太った女
 というバリエーションしか用意されていなくて、43センチの肩幅に合わせて買った3Lのブラウスは、かなりぽっちゃりした人のためのものだったのです。合わないのも当然です。
 一緒に買ったタイトスカートも、男のズボンのウエストサイズで考えてしまって、最初のスカートはウエストが余りました。ヒップはさらに余ります。
 でも、安全ピンであちこち留めるとどうにかなりそうです。

 世の中には、服と下着だけの「首下女装」という中途半端な状態で立ち止まる人が結構いるようです。
 でもわたしは徹底する主義なので、中途半端にやるくらいなら最初から手を出しません。

 次は頭です。ここが一番悩みました。
 まず、わたしの大きめの頭に女性用のウィッグは入るのでしょうか。(余裕で入ります)
 髪を伸ばした自分がどういう顔になるのか、全く想像がつきません。しかもセミロングは安くても7000円くらいします。もし合わなかったらどうしよう!?ここで数日立ち止まりました。
 ドンキホーテは当時Lapin d’or(ラパンドアール)を扱っていて、ここのウィッグは、おしゃれにカットされていてかぶるだけでサマになります。これはとてもラッキーでした。(実は新宿の地下街だけでもウィッグ屋さんは3軒くらいあります。)
 ええいっ!とシャギーの軽くカールしたモデルをつかんでレジに向かいます。緊張しました。(世間の人たちはドンキでずっと変なグッズを買っています。人目を気にしているのは自分だけです)
 新品のポリエチレン髪は指にばさばさとまとわりつきます。かぶると視界がふさがってゴルゴンとかメドゥーサみたいな恐ろしい姿になりましたが、耳の後ろにまとめてピンで固めると、ただのロン毛のお兄さんになりました。


 うーむ、これはただのサーファーのお兄さんです。化粧をどうにかすれば女っぽくなるのでしょうか。

どちらかというと、南の島で観光ガイドをしているお兄さんのほうが近い気がする

 残るは、顔だけです。

トランスジェンダーで会社員でアラフォーで身分上は男子です。 好きなことは踊ることとお絵かきと読書。 いまは嫁と娘が居ます。 2012年の東京レインボープライドを主催していました。

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