はじまりの日(3) 改造をはじめよう

これまでのセッションでメモに書き出した、あなたが気付いた無意識の行動のうち、一番簡単にやめられそうなものを選んでみましょう。
そして来週まで、そのくせが出る時を意識して、違う行動をしてみてください。
そうしなければいやな目に遭うという記憶から、知らないうちに自分の行動をねじ曲げている無意識のくせ。
今だったら、危害を受けることはないということを、確かめてみましょう。

そう、カウンセラーさんは言いました。
問題点を分割できるだけ細かく分割して、ほかの問題と結びつきが少ないものを選んで、壊しやすそうなところから壊してみましょう。

最初に手を付けたのは、「貧乏くじを自分から選ばない」でした。
これまで、職場やサークルで問題を見つけたとき、夜にサービス残業しながらこっそり1人で始末してしまうのが常でした。
ちょっと前にやめた会社は、社員がひどく相互不信に染まっていたほとんどビョーキな会社だったので、「ほうれんそう」なんてするだけ無駄、それどころか前任者の不始末で自分が責められるので、できない課題はない、問題はいっさい存在しないことにするしかない、そんな強いプレッシャーがかかっていました。

でも、今の会社なら、まともに「ほうれんそう」することで周りの支援が得られるはずです。
だから、明日からは問題をみつけたら問題があると言う、間に合わない物は間に合わない、解決には残業費がかかると主張する、わからないものは素直にわからないという。そんな課題です。

これはうまくいきました。

その次は「彼女から自分のための時間を取り戻す」でした。
これはちょっと難航しました。
対処をあやまったら自殺しちゃうので問題です。これでいきなり「別れる」と簡単にできるようなら世界に神様はいりません。
日曜は家に帰って洗濯するとか、「お盆休みは帰省する!」とか、みのもんたの出る番組をかけてくれるなとか。
わたしが正気で生きるために、必要な物は必要だということを覚えました。。

彼女とわたしは同一人物じゃない。一心同体なんて適当なスローガンには乗らない。
彼女が茶碗一杯の安定剤を一気に飲むとか手首を切るとかいった破局を招かないようにしつつ、ちょっとずつ自分の生きるスペースを取り戻しはじめました。
3ヶ月くらいして、彼女とは、最後はちょっとショッキングな結末で別れることになりました。でも、伏線を張っていたおかげで、破滅的なエンディングにはならずに済みました。

それからいくつかの課題をやっつけて、やがて、大物を標的にする日が来ました。
「じぶんの嫌いな自分の姿を解体する」
というものでした。
自分の境遇は少しは変わると信じても、自分の印象という標的はクジラのようにでっかく、見上げても途方に暮れるばかりでした。

トランスジェンダーで会社員でアラフォーで身分上は男子です。 好きなことは踊ることとお絵かきと読書。 いまは嫁と娘が居ます。 2012年の東京レインボープライドを主催していました。

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