女装してなくても女に間違えられるとき
皆様こんにちは。
ブログのテーマに「日常」についてと書いていて、全然書いてないのに気がついたので、トランスジェンダーの日常っぽいお話を書いてみます。
ラウンド1: 産婦人科 -「お母様でいらっしゃいますか」
「わたしについて」を読んだ方はご存じかと思いますが、わたしは結婚しててお嫁さんがいます。お嫁さんにも「うちの嫁」と呼ばれています。
そのお嫁さんが妊娠して、産婦人科についていったときのことです。
わたしが付き添って診察室に入ると、お嫁さんは先生といくつか問診をして、それから検査のために看護婦さんに連れられて奧の別室にいきました。
そこで、年配のお医者さんとわたしが二人だけになって、沈黙を破ろうとお医者さんが口を開きました。
「お母様でいらっしゃいますか」
先生、どう間違えたらそうなるんですか!?今日はメイクしてないし、男物着てるし。髪の毛は長いけど後ろに垂らしてるし!
それよりなにより、嫁の母親に見えるってわたし何歳に見えるのよ!?
それでもわたしは冷静に答えました。
「いいえ」
あれからずいぶん経ちましたが、いまでも嫁のお気に入りのエピソードになっています。
ラウンド2:健康診断 - 「妊娠はされていますか」
今度は健康診断に行くことになりました。
ナースさんに「こちらの書類を持って、中でお待ち下さい」と案内されて、「X線管理施設」のお部屋に入りました。
目の前にはレントゲン台。書類をぼーっと眺めていると、後ろでドアが開いて、技師さんが入りざまに言いました。
「妊娠はされていますか?」
振り向いたわたしはにっこり笑って
「いいえ」
と答えました。
あとでお嫁さんに話したら死ぬほど笑われて「次の子はかよが産めば良いよ」と今でも言われます。
髪の毛を伸ばして後ろ姿、それに検査衣だと区別が付きにくくなるのかなーと思うのですが、どうも外形だけの問題ではないみたいです。
LGBT関係の人に会うときは♀のルックのときのほうが多いのですが、♂のルックで会ったときには「あんまり印象が変わらない」という感想を頂いてしまいました。…うーん。メイクとか体型補正とか気合い入れてても入れなくても印象が変わらないって、ちょっと凹みませんか?
地域の福祉の人に嫁が家庭事情を説明した際に、夫は実は嫁でという説明をしたら、その方は「あの雰囲気と仕草だととても説得力がある。さっさと周知しちゃって女の格好で来た方がよくないですか」と言ったそうで。地域の施設には女物を着て行ったことはないのですが、トランスとか何とかカミングアウトするしない以前に何かがダダ漏れしてるみたいです。
わたし自身にはわからないのですが、周りの人に言わせると、わたしは髪の毛が長い(ちょっと前まで腰まであった)だけじゃなくって、立ち方にも癖があって、そのあたりから女の雰囲気が出ているみたいです。
男女それぞれの雰囲気にすぱっとスイッチを切り替えられたら便利だとおもうのですが、わたしには無理みたいです。いつからこうだったのか。もしかしたらずっと子供時代までさかのぼるのかもしれません。
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