プライドパレードを思い出す(5)  本番!第一回プライドフェスティバル 中編

プライドパレードを思い出す(5) 本番!第一回プライドフェスティバル 中編

皆様こんにちは。今回は2009年の東京プライドフェスティバルの本番、後編です。

募金ブースに、伝令さんがやってきました。

「手話サークルで参加者を募集しています、募金から誰か出してくれませんか?」

休憩時間にわたしが行くことになりました。

ゲイを直撃!手話講座!?

聾唖者(ろうあしゃ:聞き取り、発話が不自由な人)のLGBTグループで、30分手話講座を受けました。みんな全く話さない人というわけではなくて、お兄さんが歯を食いしばりながら声を出して説明してくれました。聞き取りがすこし難しいけれどわかります。内容は超実践的です。今すぐ役に立つ内容を教えてくれました。まずは、あいうえおのサインをもとに、名前の読み方から、

[わたし][名前][か][よ][です]

年の数え方も教わりました。指を、熊手のように曲げると、3本なら30歳。次から、手話というかゲイコミュ手話がはじまります。

自分、というときは指を自分の胸に当てる。

男だと親指を立てる、女だと小指を立てる、トランスジェンダーだと両方立てて、元性別 → 現性別のほうに指でなでる。

さらに実践的な内容に進みます。
〔男と女どっちが好き?〕
〔ゲイ〕〔ノンケ〕〔バイ〕
〔俺デブ専〕
〔いや、フケ専〕
〔あそこのスタッフの彼なんて、どうよ〕
〔さあ、まあまあじゃない?〕
〔かよさん、どっちよ〕
〔グラマラスな♀がいい〕(手話だけじゃなくてジェスチャーも含める。手つきはだいたい皆様の想像の通り)
〔わたしの歳、いくつにみえる?〕

こんな会話を手と指をぶんぶん振ってサインを作って進めます。

なんてレッスンでしょう。この場で、いきなり手話ナンパですか!?

ここのブーススタッフさんには顔を覚えてもらいました。あとで募金箱を持って会場を回っていた時、美女のリーダーさんが遠くから私に手を振りました。
はーいって手を振り返すと、彼女が指でサインを作っています。
〔歳、いくつなのよーーー!」〕って。
雑踏を超えて数十メートル向こうから遠慮なく聞いてくれます。。
わたしは、3本の指を熊手のように曲げて、もう片手で4本指を立てて見せてあげました。
〔信じられない、サイコー!〕
と、手話+全身で熱烈なメッセージが返ってきました。当時はだいたい5歳サバ読みが通用したので、女子にはよくモテました。
次いで、ブースに詰めているときに今度は手話サークルからお客さんがきてくれました。小柄な男の子です。

可愛い男の子の性別を手話でいうと?

寄せ書きの説明をして、「わたしが書いたのはこれ」って自分の寄せ書きを示してみせます。
そうしたら、男の子の指が、私の胸をぴっと指してから、寄せ書きに書いた「♂」の文字を指して、そこから「♀」の文字にむかって指を滑らせて、わたしに向かって〔ですね?〕と問いました。
わたしがうなずくと、彼はその文字を逆になぞり、彼の胸に指を当てました。
これはFtM(生まれた性別は♀でいまは♂として生きているパターン)?初めてみました。小柄な可愛い男の子と思ったら、そんな秘密があったなんて。わたしは、おぼえたてのサインを出してみることにしました。
右手の手のひら側を上にしてこぶしを出し、親指を立てると男性。小指を立てると女性。両方を立てて、左手の指で親指から小指になぜるとMtFトランスジェンダー。その、逆の方向に指を滑らせてみせました。
男の子は満面の笑みで、そうっ!とうなづき、次の瞬間にはわたしの両手をつかんで振り回していました。
(続く)

トランスジェンダーで会社員でアラフォーで身分上は男子です。 好きなことは踊ることとお絵かきと読書。 いまは嫁と娘が居ます。 2012年の東京レインボープライドを主催していました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください