トールサイズの女装工学(6) 胸にぎゅっと詰まっているもの

トールサイズの女装工学(6) 胸にぎゅっと詰まっているもの

皆様こんにちは。

第6回は偽乳の作り方のお話です。

女装の胸については皆さんかなりバリエーション豊かな願望をもっています。ざっと挙げると

  • 自分で谷間を作れてなんぼや、という自分のお肉を寄せて上げる改造主義のひと
  • ラインをきれいにしてなんぼや、というわたしのような外見主義のひと
  • 揉み心地や重さ、揺れ方がリアルでなんぼや、という感触主義のひと

こんな具合です。

はじめての頃だとブラを買って、とりあえずそのまま着けているという方が多いのではないかと思いますが、これではきれいなラインが描けません。本来のきれいな曲面をつくり出すためには、やはり何か詰めないといけません。

女装のおっぱいには何が詰まってる?

きれいなラインにふくらみさえすれば何でもいいのですが、アクシデントの備えとして、あまり変な物は入れない方がいいですね。
まず、最初は自然派から。

ガムテープ!?

わたしのお師匠様が常用しているとか言っていました。
ある程度胸に筋肉と脂肪がある男性だと、この手ときっついブラの組み合わせで自前の谷間を作れるそうです。
もともと女子用の盛りブラも相当むりやりに背中から肉を寄せて胸に詰め込む使い方をするようなので、男性の体でも修練を重ねるとそれなりになるみたいです。

衣装用の胸カップ

わたしはラインの見かけと吸汗性から、水着用や裁縫用に出ているクッション素材の胸パッドを使っています。予算は1組で6001000円くらいになります。

普段は衣類から演劇衣装の材料まで揃えている「オカダヤ」で買い求めています。

右の写真の上が普通のバストパッド(L)で、下が水着(作り)用(LL)です。ワイヤー入りなどもあります。
弾力があるので、女性が触っても違和感があまりないようです。
丸いパッドは、ブラに入れて使うというより、服にそのまま縫い付けて胸の形を作る材料です。サンバカーニバルの過激な衣装とかをよく観察すると、胸のところにこれが入っていたりします。サイズは大中小がありますが、
大を使うと、洗濯板の胸が大体Bカップになりますが、問題は、直径が大きくてブラのポケットには入りきらないところです。ブラにただ詰めただけでは簡単に飛び出すので、衣類用の両面テープとか、針で仮縫いして固定したりして使います。
中サイズだと、カップの入るキャミソールとかに詰め込めます。元々入っているパッドとうまく位置を合わせると、ぼちぼちいい形になります。
三角の方は、ブラの中身と言うよりこれ自身がブラです。
これにアジャスターなどを付けて、表面に綺麗な生地を貼ってオリジナルの水着を作ったり、ダンス用のレオタードの内側に紐を縫い付けてカップインのレオタードにしたりする用途です。

胸の中身がある前提のアイテムなので、素材は薄くて押すとぺこぺこです。これだけでは足りなくて、中に中サイズの丸いパッドを詰めたりします。

ほかに水着用のポケットに詰める三角形のパッドもあります。スポーツブラに詰めるのに都合が良くて2組用意しています。

詰めれば済むというわけではない

ただし、これらを詰めれば済むわけではありません。

大まかなラインはこのパッドで作れますが、このままだと女性にはありえない凹みが生じたりするので、実際にはハーフのパッドなどを縫い合わせてオリジナルの整形が必要です。これは今後の連載で取り上げる機会があるでしょう。

これらは洗濯もしやすく、汗も吸ってくれるのでとても使いやすいのですが、重さが全くないのが弱点で、揺らしたりはできないし。万歳をするとブラがずり上がってきてしまうことがあります。

シリコン樹脂の胸パッド

医療用

上の例は医療用、すなわち乳がんなどで乳房切除した方のためのパッドで、メジャーなブランドらしい「アモエナ」を取り上げてみました。基本はブラに差し込んで使う使い方のようです。脇にまで肉を付けるというのが、医療のリアリティを感じます。

胸全部を覆うサイズだと、三万を軽く超える、かなりのお値段になります。病院などでカウンセリングを受けながら、切除した胸のサイズと残存部、重量に合わせて細かく選ぶべきものなのでしょう。そう、全摘出した方、部分的に切除した方などで細かく製品が分かれていて、正直通販じゃわかりません。サイズ表記がどういう意味かも全然分かりません。専門家がついていないと買えない感じです。

安いものは片方で3000円くらいのもあります。片方ずつ売っていて、乳首に変な色を付けていないものは医療用という感じでしょうか。

おもちゃ用?

 こちらはアダルトのお店とかで見ることがあるかもしれません。洒落で買うにはいいお値段かと思います。両方セットで売っているものは娯楽用とみてよいでしょう。

粘着剤で貼り付ける、ブラに詰めるといった使い方ですが、ブラに詰める場合、本物のおっぱいは胸筋で支えるところが、ブラだけに頼ると片方2~300グラム、爆乳なら500グラム以上をブラの肩紐だけで吊すことになって食い込みが痛いそうです。

ほどほどが一番ですね。

ヌーブラ

あとは吸盤みたいに貼り付くシリコンブラの「ヌーブラ」も取り上げないわけにはいきません。
全く出っ張りのない男性の胸にも一応貼り付きますが、ちょっぴりでもおっぱいがある状態に貼る前提の商品なので、胸にお肉がない人だとすぐ浮き上がってきます。
もともとが、そこに存在するおっぱいを支える「ブラ」であり「パッド」ではないので、ふくらみの面積も厚みも物足りない感じです。ドンキですぐに買えるのでお手軽といえばお手軽ですが、実用性はあまりないように思います。
また胸毛は大敵です。実戦の前にお肌との相性を必ずテストしておくことをおすすめします。

ビーズ材、ストッキング

枕とかに入っている、プラスチック製のビーズ材料で胸を作っている人がいました。

ストッキングの素材に詰め込んで、フルカスタムの胸パッドというかブラを作ってくれる職人さんがいるそうで、仕上がり品を見せてもらったことがあります。

ボリューム感と弾力と、ほかの素材にはない「通気性」を備えた、真夏向きの一品です。

また、ストッキングを丸めて詰めるという話も聞きます。でもこれはふわふわしすぎて胸の形が安定しないんじゃないかと思います。

義体!?


海外で、体をまるごとシリコンでカバーするというのを見かけて、嘘でしょ~!?と思って眺めていたら、なんと国内でも販売されるようになったようです。

死ぬ!絶対暑さで死ぬと思います。皮膚呼吸できなくなった分の汗が顔から出てメイクが溶けるのではないでしょうか。

「デパートメントH」みたいな変わったイベントなら使っている人にお目にかかれるかもしれませんね。

非常手段

これまでに見た例では

  • フェイスタオルを三角に折って詰めた(わたし)
  • 紙ナプキン
  • 小銭入れ(!)

などの例をみたことがあります。

と、駆け足で紹介してみましたが、あと、用意しておくべきものは

「そのおっぱい、本物?」

と質問されたときの答えです。わたしは、かつてはにっこり笑って

「新聞紙です
とお返事していたのですが、「なるほど、吸水性とかを考えると意外にいいかも」と真面目に考え出しちゃったひとがいて、申し訳なくなって「ユニクロ製です」と答えるようになりました。

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トランスジェンダーで会社員でアラフォーで身分上は男子です。 好きなことは踊ることとお絵かきと読書。 いまは嫁と娘が居ます。 2012年の東京レインボープライドを主催していました。

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