トールサイズの女装工学(4) スリーサイズを決めよう
皆様こんにちは。
前回、JISサイズではカバーされていない体型があり、胸囲がある程度以上大きくなると「大柄」ではなく「デブ」な服しか用意されていないというところをお話ししました。
これはつまり、既製服をそのまま着ると、
- 腰にあるべきパーツが胸に上がってくる
- 胴回りがふくらみすぎる
こんなことになり、何か工夫が必要ということです。
結論から先にいくと、わたしの対策はこんな感じです。
- 海外サイズのものを買う(H&Mなど)
- 基本的にLT、LLTサイズなどTの付くサイズを選ぶ。
これで胸が上がりすぎる、腰のパーツがずり上がるのがちょっとましになる。 - なるべく上下別々の服にしてワンピースは避ける。
肩幅が42cmある服になるとお尻が恐ろしいサイズになるケースが多いため。 - 背中にダーツのある服なら背中から腰を縫い直す
こういう工夫をしています。縫い直しというのは少数派だと思いますが。
ここで本題ですが、服が作ってくれるシルエットではうまくいかないのがはっきりしたので、見栄えの良いシルエットになるスリーサイズを自分で決めて、そのサイズになるまで胸やお尻に色々詰め物をすることになります。それって、どのくらい詰めれば良いのでしょう?
ゴールデンカノン
ワコールでは、美しいプロポーションについて「ゴールデンカノン」という用語を用意しています。
以前は対身長比でこんな数字を提示したそうなのですが、これはモデルさんにはできても一般市民にはとても無理で、そのためか今はもう使われていません。
- バスト:身長×0.54
- ウエスト:身長×0.38
- ヒップ:身長×0.54
- 太もも:身長×0.31
これを175cmにあてはめると、95-67-95 という数字がでます。ちょっと無茶じゃない?絶対、外人モデル前提で作ってますよね。
現在は、こんな基準が提唱されています。
ワコールならではのからだと下着のなんでも辞典:ゴールデンカノン
ここでは肩幅、B,W,H の正面から見た幅や周径(メジャーでぐるっと測ったサイズ)などの比率が大事だといっています。
こちらの周径バランスのページをみると、大体B/W比が1.25以上、H/W比が1.33以上くらいになると見栄えが良いとされているようです。B/W比は1.4の手前にポイントが集中していて、かなりゴージャスな胸が想定されているようです。ヒップは1.35-1.4の間が美女のボリュームゾーンの一つであるようです。
男の尻では決定的にサイズが足りない
ウエストとの比率、つまりくびれが大事!とワコールは重ねて主張しています。
しかし女装の人をみると、おしりのシルエットをちゃんといじっている人はめったにいないように思います。
男女のヌードのシルエットは下の図くらい違います。ウエストの位置まで違います。
わたしの場合だとH90:W75 でH/W比が1.2くらいになります。ちゃんと体重をコントロールしていない人だともっと1.1くらいに下がると思います。
男のお尻ではサイズが決定的に足りないのです。悪いのは、ウエストが細くならないことではなくて、お尻がふくらまないことのほうなのです。
ゴールデンカノンでは、正面から見た場合のウエストとヒップの横幅は1:1.4 くらいが美しいとされています。わたしの肋骨は細くはできないのでこれは見なかったことにするとして、最低限、バストサイズとヒップサイズが同じになるくらいまではふくらませないといけません。
ワコールの旧ゴールデンカノンではB=Hとなっていますが、あれは外人モデルの世界なので適用すると多分おかしいことになります。JISのY体ではヒップはバスト+5~7センチくらいになっているので、ヒップはバストより数センチは大きくしないといけないみたいです。
さきのゴールデンカノンでは、ヒップはウエスト×1.33くらいからが見栄えがよいそうなので、75×1.33 = 99.75 cm。まあこんなものでしょうか。
これで、どれくらいまで胸と尻を盛るか、目標値が決まりました。
- 肩幅:43cm
- バスト:97cm
- ウエスト:75cm
- ヒップ:100cm
- 身長:175cm
これが、わたしが海外サイズなどを探す場合の基礎の数字になります。
次回からは実践編として、いろいろ詰め物をしていきます。
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